酸等を扱う事業所で特殊歯科健診を実施したあと、多くの担当者が悩むのが「歯科健康診断結果報告書」の書き方と提出です。
結論から言うと、この報告書は所定様式に沿って記入し、事業場を管轄する労働基準監督署へ提出するだけで、難しい判断はほとんど必要ありません。
ただし、2022年10月から報告義務の範囲が広がったため、これまで提出が不要だった事業場も注意が必要です。
この記事では、記入項目・提出先・提出時期・よくある間違いを、担当者が迷わない順序で整理します。
- 歯科健康診断結果報告書とは何か・誰が出すのか
- 2022年10月改正で何が変わったのか
- 報告書の記入項目と書き方の手順
- 提出先・提出時期とよくある間違い
歯科健康診断結果報告書とは?誰が提出する書類か

歯科健康診断結果報告書とは、特殊歯科健診を実施した事業者が、その結果を労働基準監督署へ報告するための書類です。
対象となるのは、塩酸・硝酸・硫酸などの歯やその支持組織に有害な酸等のガス・蒸気・粉じんを発散する場所での業務に労働者を従事させている事業場です。
この業務では、歯が溶ける「酸蝕症(さんしょくしょう)」のリスクがあるため、労働安全衛生法に基づく特殊健康診断(歯科)が義務づけられています。
健診を受けさせるだけでなく、その結果をまとめて監督署へ報告するところまでが事業者の義務です。
- 誰が出す:対象業務のある事業者(実務は総務・安全衛生担当が担当することが多い)
- 何を出す:歯科医師による特殊歯科健診の結果を集計した報告書
- いつ出す:健診を実施したあと、遅滞なく
詳しい対象範囲や健診内容については、特殊歯科(酸蝕症)検診とは ― 対象企業と導入方法もあわせてご確認ください。
まず「自社が対象業務を行っているか」を確認することが第一歩です。
2022年10月の改正で何が変わった?
ここが本記事でもっとも重要なポイントです。
従来、特殊歯科健診の結果報告は「常時50人以上の労働者を使用する事業場」に限られていました。
しかし2022年10月1日以降は、事業場の規模にかかわらず、対象業務で歯科健診を実施したすべての事業者に報告が求められるようになりました。
| 項目 | 2022年9月まで | 2022年10月以降 |
|---|---|---|
| 報告義務の対象 | 常時50人以上の事業場のみ | 規模を問わず対象業務がある事業場 |
| 健診の実施義務 | あり | あり(変更なし) |
| 提出書類 | 歯科健康診断結果報告書 | 歯科健康診断結果報告書 |
健診実施義務は以前からありましたが、報告義務の対象が全事業場に広がった点を押さえておきましょう。
企業の歯科検診について、まず相談してみませんか?
報告書の記入項目と書き方の手順

報告書は決まった様式に沿って記入します。
判断が必要なのは一部だけで、多くは健診結果の集計を転記する作業です。
主な記入項目は次のとおりです。
- 労働保険番号・事業場情報:事業場の名称、所在地、電話番号を記入します。
- 健診年月日・在籍労働者数:健診を実施した日付と、対象事業場の在籍人数を記入します。
- 対象業務の区分・従事労働者数:酸等を扱う対象業務に従事する人数を記入します。
- 受診労働者数:実際に特殊歯科健診を受けた人数を記入します。
- 有所見者数:歯科医師の診断で所見が認められた人数を記入します。
- 実施した歯科医師の情報・事業者印:健診を担当した歯科医師名や医療機関を記入し、事業者が押印します。
書き方をスムーズにするコツ
- 健診機関から受け取る「結果一覧」の数字を、そのまま該当欄へ転記する
- 「在籍数」「対象業務従事者数」「受診者数」の関係が矛盾しないか見直す
- 歯科医師が記入する欄と事業者が記入する欄を分けて確認する
記入の大半は「健診結果の集計を正確に写す」作業だと考えると、負担が一気に軽くなります。
提出先・提出時期とよくある間違い
完成した報告書は、事業場を管轄する労働基準監督署へ提出します。
提出時期は「健診実施後、遅滞なく」が基本です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提出先 | 事業場を管轄する労働基準監督署 |
| 提出時期 | 健診実施後、遅滞なく |
| 提出方法 | 窓口持参・郵送のほか、電子申請(e-Gov)も利用可 |
| 控え | 受付印付きの控えを保管しておくと安心 |
よくある間違い
- 少人数だから報告不要と思い込む(2022年10月以降は規模を問わず対象)
- 提出先を本社所在地の監督署と勘違いする(正しくは対象業務のある事業場の管轄)
- 事業者印の押し忘れ・歯科医師記入欄の空欄
- 数字の集計ミス(受診者数と有所見者数の不整合)
提出先の管轄がわからない場合は、事業場の住所をもとに厚生労働省の一覧で確認できます。
「対象事業場の管轄監督署へ、遅滞なく、控えを残して提出」が実務の鉄則です。
よくある質問
従業員が50人未満でも報告書の提出は必要ですか?
2022年10月1日以降は、事業場の規模にかかわらず、酸等を扱う対象業務で特殊歯科健診を実施した事業者に報告が求められるようになりました。
従業員が50人未満の事業場でも、対象業務があれば提出が必要とお考えください。
詳細は管轄の労働基準監督署にご確認ください。
報告書はどこに提出すればよいですか?
報告書は、対象業務を行っている事業場を管轄する労働基準監督署に提出します。
本社所在地ではなく、実際に対象業務がある事業場の住所をもとに管轄を確認する点に注意してください。
窓口持参・郵送のほか、電子申請(e-Gov)も利用できます。
有所見者数は担当者が判断して書くのですか?
有所見かどうかの判定は健診を実施した歯科医師が行います。
担当者は歯科医師の診断結果に基づいて人数を集計・転記するだけで、独自に判断する必要はありません。
判断に迷う場合は健診を委託した歯科医師や医療機関に確認しましょう。
自社での歯科検診の実施をご検討の際は、全国対応の企業歯科検診もあわせてご覧ください。
まとめ:報告書の作成もまるっとお任せください
特殊歯科健診の結果報告書は、記入項目さえ押さえれば決して難しい書類ではありません。
ポイントは、2022年10月から規模を問わず報告が必要になったこと、そして対象事業場の管轄監督署へ遅滞なく提出することです。
- 対象業務があるか確認する
- 健診結果を正確に転記する
- 管轄監督署へ控えを残して提出する
とはいえ「健診の手配から結果集計、報告書の準備まで一人で回すのは大変」という声も多くいただきます。
企業歯科検診.comでは、特殊歯科健診の実施から結果のとりまとめ、報告に必要な書類の準備まで、担当者の負担を減らすサポートをご用意しています。
面倒な書類作業を丸ごと相談したい方は、まずは気軽に資料をご覧いただき、自社に合う進め方を確認してみてください。
関連記事
この記事は、全国対応の企業向け歯科健診サービス「企業歯科検診.com」(株式会社マイ・ポジション運営)が制作・運営しています。 運営会社について »